1月 -友愛・忠実・貞節-

ガーネット Garnet 【柘榴石】
 ラテン語の「GRANATUS」(種の意)を語源とするガーネットは、化学組成の違いから、色、外観、そして特性が異なる、美しい宝石変種(カラー・バラエティ)が存在します。歴史上の逸話もある赤色がポピュラーですが、1970年代には新たに美しい緑色等の変種が発見され、近年のカラー・ストーンのニーズの多様化と相まって、その豊かな表情が注目されています。
18年目の結婚記念日は「ガーネット婚」といわれます。



2月 -誠実・心の平和-

アメシスト Amethyst 【紫水晶】
 冴えた紫色に輝き透明感のあるアメシストは、クォーツ(水晶)類の中で最も愛好される宝石といえます。日本では昔から、紫を高貴の色として尊んできた風潮があり、値段も比較的手ごろなところから、万人向きの宝石として、年齢をこえて愛好者の多い宝石です。加熱や、紫外線に対するウィークポイントはありますが、色むらのない深い葡萄色の艶やかさは、洋の東西を問わず人々を魅了してやみません。
17年目の結婚記念日の宝石とされています。



3月 -沈着・勇敢・聡明-

さんご Coral 【珊瑚】
 洋の東西を問わず、さんごが宝飾品として昔から珍重されてきたことは、35年目の結婚記念日が「さんご婚」であることからもうかがえます。
 宝石さんごは、比較的暖かい海域に生息する軟体動物の一種“さんご虫”の体を支える部位を加工したもので、日本では高知県土佐沖からオックス・ブラッド(血赤色)の最高品質のものが採れます。このほか、白や“ボケ”と呼ばれるピンク色、柿色、そして種類は異なりますが黒色のさんごが見られます。繊細な彫刻や細工が可能で、古くから和装用の宝飾品に広く利用され、近年はまたボリューム感のあるモダン・ジュエリーとしても利用されています。
 軟らかく傷つきやすいこと、そして汗や薬品などに弱いことから、優しい取り扱いとこまめなお手入れが必要です。
アクワマリン Aquamarine
 清々しい3月の宝石にふさわしいもうー一つの誕生石であるアクワマリンは、この宝石の色である“海の水“を意味しています。実はエメラルドと同じベリル鉱物の一変種ですが、アクワマリンは大きなサイズの産出も多く、内包物が少なく、澄んだ透明感がその身上です。薄い青から明るい海の色が一般的ですが、青色が濃いほど宝石としての希少性は高くなります。また、一部のアクアマリンは少し緑色がかった色合いを示しますが、これも一般的な色です。特に若い女性の間で人気のあるアクワマリンですが、海水青色の爽やかなイメージだけでなく、ほの暗い照明のもとではさらに魅力的な輝きを見せることから、“夜の宝石の女王”の異名を持つことは意外に知られていないのです。
 海底の美しい海の妖精の宝物が浜辺に打ち上げられて宝石になった、という神話があるように船員達の幸運な石としてまた運命を導くいしとして尊ばれています。



4月 -永遠不滅・清浄無垢-

ダイヤモンド Diamond 【金剛石】
 宝石の王様と称されるダイヤモンドは、万物の中で最高の硬さと美しい輝きといった宝石としての条件を完全に備えているといえます。その比類なき硬さから完全無欠の象徴として、歴史上の権力者や淑女の身を飾ってきました。まさに地球からの最高の贈り物として、現代では、世界中の愛を語る上で欠かせない存在となっています。
 一般にダイヤモンドはCarat(重量)、Color(色)、Clarity(透明度)、Cut(プロポーションと研磨完成度)の4Cで評価されますが、近年ではラウンド以外のファンシー・シェイプや、イエローやピンクなどカラー・ダイヤモンドの人気も高まっています。
 婚約指輪の宝石として高い支持を得ていますが、75年の結婚を記念する宝石としてもふさわしい風格を漂わせます。



5月 -幸福・幸運-

エメラルド Emerald
 「エメラルド・グリーン」の色彩名で知られるこの魅力的な宝石はベリル(緑柱石)鉱物の1変種ですが、稀少性の高さでは他のベリルを圧倒する存在です。一般に結晶サイズが小さく、包有物が多いため、透明度の高いカット石はさらに稀少性を増すことになります。他のベリル鉱物とは違い、エメラルドは過酷な自然環境下で成長するため、多くの場合、宝石内部に包有物があります。これらは、しばしば“キズ”と誤解されがちですが、実際には、宝石の欠陥として価値を低下させるキズとは異なり、エメラルドが形成されるときに必然的に内包されたものであって、そのことがむしろ天然石であることの証拠ともなるのです。
 今日ではエメラルドの透明度を強調するためにオイルやワックス、透明な樹脂を使って宝石の表面に開いたひびに浸透させることが行われています。そのため、超音波洗浄や急激な温度変化は避けるべきです。また、衝撃にはデリケートな面がありますので優しい取り扱いが必要です。
エメラルドは55年目の結婚記念日の宝石です。
ジェイダイト Jadeite 【翡翠(ひすい)】
 ジェイダイト(翡翠)は東洋の神秘をたたえた気品漂う美しさから、日本ではエメラルドとともに5月の誕生宝石として、今も愛され続けています。同じ澄んだ緑色の宝石であるエメラルドとジェイダイトを比べても、透明度の高いエメラルドは欧米で、半透明のジェイダイトは東洋で、それぞれ高く評価される傾向があります。落ち着いたセンス漂うジェイダイトは、黒髪や和装に最も似合う宝石といえます。
 ジェイダイトは古代から新潟県・糸魚川地域で産出しますが、現在は天然記念物として採掘が禁じられており、現在までミャンマーが世界で唯一の商業的産地です。また、ジェイダイトの色は緑だけでなく、白や赤、黄、青、紫、黒など色調範囲が広く、なかでも藤色のジェイダイトは「ラベンダージェイダイト(翡翠)」と呼ばれ、品格ある美しさで愛好者が増えています。



6月 -健康・長寿・富-

真珠(パール) Pearl
 宝石の女王と言われる真珠ですが、その柔らかな光沢が女性の心を魅きつけてやまないのでしょうか。花嫁を飾るティアラをはじめ慶びの席にはもちろんのこと、また悲しみの席にも装うことが許される大変フォーマルな宝石であり、30年目の結婚記念日の宝石とされています。
 偶然の因子により生まれた天然真珠、そして核を人工的に挿入して作られる養殖真珠がありますが、いずれも海水あるいは淡水に棲む各種の貝の生命力によって育まれた宝物です。そして、真珠を育んだ貝の種類によって、色や形状の異なるさまざまな真珠が生まれます。一般に流通する真珠のほとんどは養殖真珠ですが、近年は希少性が高く珍しい色調の天然真珠も注目されています。
 真珠は、直径・色・形状・巻き(真珠層の厚さや結晶配列の状態等)、そして傷のランクによって評価されます。
 なお、真珠は貝(生物)が創り上げた宝石ですので傷つきやすく、また汗や薬品に弱いため、優しい取り扱いとこまめなお手入れが必要です。



7月 -熱情・仁愛・威厳-

ルビー Ruby 【紅玉】
 ラテン語の赤を意味する“Rubeus”から名づけられたルビーは、まさに燃えさかる炎に例えられる華やかな宝石です。ルビーの真赤な色は不滅の炎と信じられ、燃えあがる情熱や愛情の色として尊ばれ、また、血の色の連想から、出血や炎症に効果あると思われて、戦場で不死身の力を授け、傷よけのお守りになるとされていました。
 宝石名としては、コランダム鉱物の中で、赤色石のみを「ルビー」と呼び、その他の色は“色名+サファイア”の名で呼ばれます。つまり、ルビーとブルー・サファイアは同種の鉱物であり、色は異なっていても硬さや光の性質などは何ら変わるところはありません。
 ルビーの最高の色は、わずかに紫みを帯びた鮮やかな赤色とされ、“ピジョン・ブラッド(鳩血色)“と表現されています。
 また同じルビーでも、内部にシルクと呼ばれる微細な針状結晶が密度高く発達した場合、6条の星彩線が現われた「スター・ルビー」になります。これらのスター石は、必ず“カボッション“と呼ばれる曲面を持つカットに仕上げられています。



8月 -夫婦の幸福・和合-

ペリドット Peridot 【橄欖(かんらん)石】
 美しい黄緑色のペリドートは、比較的手ごろな価格のため、若い年代に好まれる宝石といえます。アクワマリン同様、ほの暗い照明下で魅力的な輝きを見せることから“イブニング・エメラルド”の異名があります。もちろん、太陽光のもとでも、そのさわやかで明るい色は、他の宝石種にはない魅力の一つです。
ペリドートの色調には、黄緑色、オイリーな暗緑色、帯褐緑色などが見られます。
鉱物の世界では、一般にオリビン(和名;かんらん石)と呼ばれています。
サードオニックス Sardonyx 【瑪瑙(めのう)】
 赤色の地に白色縞模様の瑪瑙をサードオニックスと呼びます。
 基本的に同じ組成を持ちながら、水晶と瑪瑙はまったく異なった外観の個性的な宝石となることには驚きを感じます。広義の瑪瑙には、その色がほとんど均一であるものから、サードオニックスのように縞目を持ったもの、そして斑状や苔状の模様を呈するものや、中にはまるで風景画を思わせるものまであり、自然の創造美がうかがい知れます。
 日本では古くから愛用されてきた宝石ですが、瑪瑙の色の異なる層を利用してレリーフ彫刻を施したストーン・カメオは、人気の高いジュエリーの一つです。



9月 -誠実・慈愛・徳望-

ブルー・サファイア Blue Sapphire 【青玉】
 サファイアの名は、「青」を意味するラテン語の“Sapphirus”、ギリシャ語の“Sappheiros”に由来するとされます。神秘的な、深みのある青色を示すサファイアは、霊魂に安らぎを与え、憎悪の感情をやわらげ、誠実や徳望の象徴とされる神聖な石で、ヨーロッパでは聖職者の右手にはめられてきました。
ブルー・サファイアおいては、コーン・フラワー・ブルー(矢車菊の青)が最も尊ばれる色とされ、ロイヤル・ブルーがこれに続きます。ルビーに比べ、大きな結晶も産出されていますが、完璧な色のサファイアはたいへん希少で、しばしば特有の不規則な色むらが見えることもあります。しかし、これも観賞にさしつかえのない程度のものであれば、かえって天然宝石としての味わいを深めているともいえましょう。
 このようにブルー・サファイアが一般によく知られていますが、青色以外にも豊富なカラー・バラエティが見られ、ピンク、バイオレット、ゴールデン、帯橙ピンクなどファンシー・カラーのサファイアも人気があります。
またルビー同様、サファイアにも6条の星彩線が現われる「スター・サファイア」が見られます。
 ブルー・サファイアは23年目(アメリカでは45年目)の結婚記念日の宝石とされます。



10月 -心の中の歓喜・安楽・忍耐-

トルマリン Tourmaline 【電気石】
 “ない色はない”と言われるほどに、トルマリンは多彩な表情を持つ個性的な宝石の代表です。あらゆる色相のカラー・バラエティを有し、その中でさらに微妙にニュアンスの異なるさまざまな色調が現れます。また、従来から知られるカラー・バラエティに加え、近年もなお魅力的な新種が発見されています。さらに、キャッツ・アイ効果や変色性を持つタイプ、上下で色が異なる種類や内側から外に向かって色が変化するタイプなど、自然が造りだした奇蹟には驚かされるばかりです。
 なお、加熱あるいは摩擦によって容易に電気性を帯びるため、ショーウィンドウなどでは埃を吸い寄せやすいので注意しましょう。
オパール Opal 【蛋白石】
 まるで虹を思わせるような七色の輝きはオパールに見られる特有の光の現象で、遊色効果(プレー・オブ・カラー)と呼ばれます。水の中に動く閃光あるいは闇に浮かび上がる炎など、オパールの中には神秘的なイメージがあるのでしょうか。日本人には特に愛好されている宝石です。宝飾品に用いられる多くのオパールは遊色効果を示すことから、俗にプレシャス・オパールと総称していますが、近年は遊色効果を示さないものの柔らかなピンクやブルー、グリーン色が魅力のコモン・オパールにも人気があります。
 それぞれの宝石名は、ボディ・カラー(地色)で分類されます。プレシャス・オパールでは、黒色のブラック、乳白色のホワイト、橙色から赤色のファイア、そして水のような透明感を持つウォーター・オパールがあります。
 オパールは鍾乳洞のように少しずつその成分である珪酸が沈殿してゆきますが、厚さ1cmのオパールは約500万年の歳月を経て創られるといわれています。



11月 -友情・友愛・希望・潔白-

トパーズ Topaz 【黄玉】
 トパーズの真の魅力は、透明感と高い輝きであるといえます。主要産地のブラジルでは、水滴を意味する“Pingo d'agoa(ピンゴ・ダゴア)”の別名を用いることもあります。代表的な黄色以外にもいくつかのカラー・バラエティが宝石として利用されるようになりましたが、いずれも優しげな色調と高い輝きの相乗効果が魅力といえます。
16年目の結婚記念日の宝石です。
シトリン Citrine 【黄水晶】
 柑橘類のシトロンの果実の色に因んで命名されたシトリンは、黄色、金色、そしてオレンジがかった茶色をしています。明るい色で透明なシトリンは、手ごろな価格で、どんなジュエリー・スタイルにも似合う宝石です。“マディラ”シトリンと呼ばれる濃いオレンジ色をしたシトリンが、最も価値ある色とされてきましたが、今日ではパステル・カラーが程よくミックスされた明るいレモン色をしたシトリンも多くの人に好まれています。



12月 -成功を保証する-

トルコ石 Turquoise 【土耳古石】
 12月の誕生石であるトルコ石、ラピスラズリのいずれも、古代から人々に愛好されている宝石です。強烈かつ個性的な色彩ゆえに、いずれもゴールドとの組み合せが美しく、女性ばかりでなくメンズ・ジュエリーとしても広く愛好されています。
 トルコ石はその鮮やかな空青色の美しさで、エジプト王朝・メキシコ王朝の古代人の心をとりこにしたと言われます。トルコ石と、呼ばれてはいますがトルコでは産出されず、かつてシナイ半島から産地したものをトルコ経由でヨーロッパに持ち込んだことがその名の由来とされています。
 トルコ石は、宝石の中に多くの小さな穴を持った構造をしています。そのため、水分、乾燥、熱に注意が必要な宝石です。
ラピスラズリ Lapis-Lazuli 【青金石】
 ラピスラズリは数種の鉱物が集合してできた深い紺青色のボディに、金色のパイライトが点在するものが最高とされ、良質なものがアフガニスタンに産出します。日本では瑠璃と呼ばれ、仏教の七宝のひとつです。
 また、ラピスラズリは宝飾品としてだけではなく、長い時間の流れの中でも決して色の褪せることがない貴重な顔料として、古代の壁画に彩りを添えてきました。


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