| ◆サファイアの加熱エンハンスメント ブルーに限らず各色のサファイアにも加熱エンハンスメントは広く行われています。 天然ルビーと同様に天然サファイアの普遍的な内包物は離溶によるルチル・インクルージョンです。未加熱石の場合、ルビーよりも頻度高く、細長く伸長した針状の形態が見られます。このような場合、レーザー・トモグラフィではより明瞭な散乱体として観察されます(Photo-12)。 |
未加熱石に通常見られる不明瞭な累帯構造の境界に対して( Photo-13)、明瞭な分域境界を持ってある領域に凝集する微小散乱体は、加熱サファイアに関しても普遍的な特徴となります(Photo-14,15)。特に、微小散乱体が三角形の明瞭な輪郭を示す場合は加熱の特徴といえます(Photo-16)。 | ||||||||||||||
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| ブルー・サファイアでは未加熱でも赤色の蛍光像を示すことがありますが、加熱石により頻繁に石全体に赤色蛍光が観察されます。また、ルビーと同様に、加熱により発生した線状欠陥が観察されることがあります(Photo-17a,17b)。 |
さらに、加熱サファイアの典型的なトモグラフィに赤、黄色、オレンジ色を伴う三角形の明瞭な輪郭を示す蛍光像があります(Photo-18,19)。 |
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| 以上、レーザー・トモグラフィについてご紹介してきました。宝石鑑別にとって、結晶の成長環境あるいは履歴が反映された構造的な観察の重要性がお分かりいただけたと思います。規制された環境下で育成される合成石には天然石とは異なる特徴的な欠陥の種類や分布が認められ(例えば、前回ご紹介した合成アメシストの種結晶や合成アレキサンドライトの成長縞など)、両者の識別には決定的な確証となり得ます。また、コランダムのように加熱エンハンスメントによって結晶中の欠陥や不純物の状態が変化する場合、それを捉えることにより加熱・未加熱の判断が可能になります。 |
今後、出現することが危惧される極めて精巧な合成石の看破、あるいは最先端の技術を用いた処理の検出など、複雑化する宝石鑑別において、種々のオーダーの格子欠陥や成長縞、成長分域など結晶中の不完全性や不均一性の観察は不可欠です。そしてこれらの情報を得るための手段としてレーザー・トモグラフィの有効性はますます高まると思われます。 |
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