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全国宝石学協会
2003.1.29

Q: HPHT処理って何ですか?
A: High-Pressure High-Temperature(高温高圧)処理のことです。ダイヤモンドを高圧下で熱処理することにより、ダイヤモンドに内在する原子レベルの欠陥を修復したり、不純物元素(窒素)の状態を変化させてダイヤモンドの色を改善します。

Q: HPHT処理によって、ダイヤモンドはどのような色に変化しますか?
A: 処理されるダイヤモンドのタイプによって異なります。タイプTと呼ばれる窒素を不純物として含有するダイヤモンドの場合、主にブラウンがHPHT処理によってイエロー〜グリーンに変化します(Photo-1)。
タイプUと呼ばれる窒素をほとんど含まないダイヤモンドもブラウンが処理されますが、こちらは無色に変化します(Photo-2)。また、一部のタイプ
IIダイヤモンドには、ピンクに変化するものや、稀にブルーに変化するものもあります(Photo-3)。

1.HPHT処理ダイヤモンド(グリーニッシュ・イエロー) 2.HPHT処理ダイヤモンド(GE POL/カラーG〜K) 3.HPHT処理前(ブラウン)→処理後(ピンク)

Q: 誰がHPHT処理を行っているのですか?
A: 現在、HPHT処理を公表しているのはアメリカのGE社ですが、同社以外でも高温高圧技術があれば、処理を行うことができます。今日、ロシアや中国でも同様の処理が行われていると思われます。

Q: HPHT処理はいつ頃から行われていますか?
A: GE社の新技術として発表されたのは1999年3月ですが、それ以前にもロシアで処理されたものがあると考えられます。

Q: これまでにどれくらいの量が処理されているのですか?
A: GE社によると、これまでに12,000個が処理されたようですが、他の製造者によるものを含めると正確には把握できません。

Q: 処理されたダイヤモンドは情報開示されているのですか?
A: GE社が処理したものは、ガードルに「GE POL」や「bellataire」の刻印が施されています(Photo-4)。しかし、他の製造者では必ずしも情報開示(刻印)がなされているとは限りません。現実に、ロシアでHPHT処理された無色やピンク色のタイプIIダイヤモンドが、情報開示なしにアメリカや日本に持ち込まれているようです。また、流通段階で刻印を意図的に削ることも考えられますので、充分な注意が必要でしょう。

Q: HPHT処理は看破できるのですか?
A: 看破可能です。残念ながら、肉眼やルーペでは識別できませんが、宝石鑑別ラボの高度な分析技術を用いることによって、かなりのレベルまで鑑別可能です。現在、HPHT処理の看破に最も有効なのが、顕微ラマン分光装置を用いたフォト・ルミネッセンス分析です。全国宝石学協会は、国内の鑑別ラボでは唯一、顕微ラマン分光装置を導入(2000年12月/Photo-5)して、実際にHPHT処理ダイヤモンドの鑑別を行っておりますので、ご安心ください。

4.GE社製HPHT処理ダイヤモンドのガードル刻印 5.顕微ラマン分光装置(全宝協技術研究室)


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