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顕微ラマン装置を導入

全宝協技術研究室

 全宝協技術研究室は20数年前から活動を開
始し、日常の鑑別業務をバック・アップすると共
に、その研究成果は国内外の学術会議や情報
誌、あるいはセミナーを通して報告されておりま
す。最近においてはレーザー・トモグラフを用いた
加熱コランダムの研究や、HPHT処理ダイヤモンド
の研究成果等が国際的にも高い評価をいただい
ております。

 技術研究室では現在、最新鋭の分析機器を
数多くそろえ、目的に応じて最も有効な手法を用
いて分析することが可能です。また、いくつかの分
析方法を組み合わせることにより、さらに精度の高
い鑑別を行うことができます。

 現在稼働している主な分析機器には

◆紫外−可視分光光度計

◆近赤外領域分光光度計

◆FTIR

◆カソード・ルミネッセンス装置

◆レーザー・トモグラフ

◆蛍光X線分析装置

などがあり、それぞれの分野における有益な情
報を提供してくれます。  しかし、これらの分析機
器を駆使しても解決できない新たな事例が出現
するのが宝石鑑別の常といえます。また、分析機
器の性能も日進月歩で、新型の精度の高い機
種が発表されたり、全く新しい装置が開発され、
宝石鑑別に応用される事があります。
 当技術研究室ではこのような現状を鑑みて国
内の宝石鑑別機関としては初めて顕微ラマン装
置を新たに導入致しました。この分析機器は世界
の主要な宝石鑑別ラボにおいても数箇所で設置
されているのみで、今後種々の領域での応用が
期待されています。

顕微ラマン装置とは》

 ラマン分光分析とはラマン効果(単色光を物質
にあてて散乱させる時、散乱光のうちに、その物質
に特有な量だけ波長が変わった光が混ざってくる
現象)を利用して物質の同定や分子構造の研究
を行う手法です。特に顕微ラマン分光法はレーザ
ーの高い空間分解能を利用して宝石内部の微小
領域の分析を行う事が可能です。

 宝石内部の固体インクルージョンの同定が宝石
鑑別において重要なことはいまさらいうまでもありま
せん。また、ネガティブ・クリスタル中の流体包有物
も母体である結晶の生成起源を物語る重要な指
標となります。 従来の分析法では宝石内部のこ
れらについては分析が不可能でしたが、顕微ラマ
ン装置は非破壊でこれを可能にします。したがっ
て、宝石の天然・合成の鑑別はもとより、場合に
よっては産地同定等にも有益な情報を与えてくれ
ます。

 その他、エメラルドにおける含浸物質の分析、こ
はく類などの有機物質の鑑別、GE処理の看破な
どの応用に期待できます。

 精度の高い分析機器は確かに多くの情報を与
えてくれます。しかし、そのデータが有効に利用で
きるかは技術者側の問題です。より、豊富な関連
知識と未知なるものに立ち向かう姿勢を融合させ
てこそ、新たな成果が得られると認識しております。

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